狭くても大丈夫!ベッド下や家具の隙間を有効活用するコンパクト趣味空間術
狭い住空間の中で、自分だけの趣味を楽しむ時間を持つことは、日々の生活に彩りを与えてくれます。しかし、家族との共有スペースや限られた寝室の一角で趣味の時間を捻出しようとすると、どうしても物が多くなりがちで、思ったようにスペースを確保できないという悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思います。特に、読書や手芸など、ある程度の道具や材料が必要な趣味の場合、それらをまとめて収納し、いつでもすぐに取り出せる環境を整えるのは容易ではありません。
リビングの片隅や寝室の一角など、既存のスペースをうまく活用するアイデアは様々ありますが、今回は、見過ごしがちな「デッドスペース」に焦点を当て、そこを有効活用することで、低コストかつ手軽に自分だけのコンパクトな趣味空間や収納スペースを作り出す方法をご紹介します。
見過ごしがちな「デッドスペース」の可能性
デッドスペースとは、家具と壁の間、ベッドの下、ソファの下、棚の上、あるいは背の高い家具の裏側など、普段は物の置き場所として積極的に使われていない空間のことです。これらの場所は、工夫次第で非常に効率的な収納スペースや、邪魔にならないコンパクトな作業スペースとなり得ます。
特に、床に近い場所や家具の隙間は、収納家具を新しく置くのが難しい場合でも、既存の状況に合わせて柔軟に対応できる可能性を秘めています。
ベッド下を活用した趣味空間&収納術
寝室にあるベッド下は、多くの家庭で見過ごされがちな広大なデッドスペースです。ここに趣味関連の道具や材料をまとめて収納することで、部屋の他の場所を圧迫することなく、趣味に必要なものを一箇所に集約できます。
- 引き出し付きの収納ケース: ベッド下収納専用のキャスター付き引き出しケースは、出し入れが簡単でホコリも防げます。季節外の衣類だけでなく、手芸の生地や毛糸、読書で溜まった書籍などをまとめて収納するのに適しています。透明なタイプなら中身が一目で分かりますが、生活感を隠したい場合は不透明なタイプや、フタ付きのボックスを選ぶのが良いでしょう。
- フタ付きの頑丈なボックス: ある程度の重さがあるものや、頻繁には使わないけれどまとめておきたい趣味のストック(例えば、まとめて購入した画材やハンドメイドの資材など)は、フタ付きの頑丈なボックスに収納し、ベッド下に滑り込ませます。取っ手付きや、ボックス自体にキャスターが付けられるタイプを選ぶと便利です。ニトリや無印良品などで様々なサイズが見つかります。
- 薄型のプラスチックケース: コミック本や雑誌、書類など、薄くて平たいものを収納する場合は、薄型のプラスチックケースが重宝します。ベッド下の高さに合わせて選び、種類別に分けて収納すると、必要なものを探す手間が省けます。
- DIYで簡易的な平台を作る: より低コストで済ませたい場合は、すのこや板にキャスターを取り付けた簡易的な平台を作り、その上に物を乗せてベッド下へ収納する方法もあります。ボックスを使わず、まとめて滑り込ませたい場合などに有効です。ホコリ対策として、収納する物にカバーをかけたり、ベッド下全体を覆うカバーを利用するのも良いでしょう。
ベッド下はホコリが溜まりやすいため、フタ付きの収納を選ぶか、こまめに掃除することが快適に利用するためのポイントです。
家具の隙間を活用したコンパクト収納
家具と壁の間、冷蔵庫や洗濯機などの家電と壁の間、あるいは背の高い棚と棚の間にできるわずかな隙間も、貴重な収納スペースとなり得ます。
- スリムワゴン: キッチンや洗面所でよく使われる、幅の狭いキャスター付きワゴンは、家具の隙間にぴったり収まります。段になっているので、手芸の細かい道具、画材、頻繁に読む本や雑誌、書類などを分類して収納できます。必要な時に引き出して使えるため、作業スペースのすぐそばに置いておくのに便利です。100円ショップやニトリでも手頃な価格で見つかります。
- ファイルボックスを使った簡易棚: A4サイズのファイルボックスは、縦置きだけでなく横置きにしても使えます。家具の隙間に横置きしたファイルボックスを並べ、その上に板や硬いシートを乗せれば、簡易的な棚として活用できます。文庫本やCD、DVDなどをまとめて収納するのに適しています。ブックエンドを使って倒れないように工夫すると、より安定します。
- 突っ張り棒とネットを活用: 家具の側面や壁との隙間の壁面に、突っ張り棒を数本渡し、そこにネットやワイヤーラック、S字フックなどを組み合わせることで、簡易的な壁面収納が作れます。ペンチやハサミといった手芸道具や、頻繁に使う小さなアイテムを吊り下げて収納するのに便利です。100円ショップで様々なアイテムが揃います。
- 背の高い家具の上のスペース: タンスや本棚など、背の高い家具の上にできる空間も収納に利用できます。ただし、地震対策として、落ちてこないようにフタ付きのボックスに入れたり、滑り止めシートを敷くなどの工夫が必要です。あまり頻繁に出し入れしない趣味の道具や、ストック品を収納するのに適しています。
快適な趣味空間のための収納のコツ
デッドスペースを活用した収納をより快適にするためには、いくつかのコツがあります。
- 中身が見えない収納を選ぶ: 家族との共有スペースや寝室の一部として使う場合、趣味の道具があまり露わにならない方が、生活感を抑え、部屋全体がすっきりと見えます。フタ付きのボックスや、中身が見えない素材の収納ケースを選ぶのがおすすめです。
- ラベリングで見やすく: どこに何を収納したか、フタ付きのボックスや引き出しだと分からなくなりがちです。ラベリングをすることで、必要なものをすぐに取り出せるようになります。シンプルなラベルを使えば、見た目も損ないません。
- キャスター付きで移動を楽に: ベッド下収納や隙間収納にキャスターが付いていると、掃除の際や、趣味の道具を取り出す際に便利です。重いものを収納する場合も、簡単に移動できます。
- ポータブル性を意識する: 共有スペースで趣味を楽しむ場合、使わない時はすぐに片付けられるように、必要な道具一式を一つのボックスやバスケットにまとめておく「趣味セット」を作るのも良いアイデアです。
家族との調和を保つ
デッドスペースの活用は、家族の共有スペースや物に手を加えることなく、自分の専用スペースを作りやすいという利点があります。収納する際は、家族の持ち物を邪魔しない場所を選び、見た目にも配慮することで、家族との間に無用な摩擦を生むことなく、自分だけの快適な趣味時間を確保できます。使わない時はコンパクトに片付けるなど、お互いが気持ちよく過ごせるような配慮も大切です。
まとめ
「狭いから」「スペースがないから」と諦めていた趣味空間も、住まいの中にある見過ごしがちなデッドスペースを有効活用することで、低コストかつ手軽に実現可能です。ベッド下や家具の隙間など、ほんの少しの空間も、工夫次第で貴重な自分だけの場所になります。
この記事でご紹介したアイデアを参考に、ぜひご自宅のデッドスペースを見直してみてください。そこに、あなたの趣味を楽しむための新しい空間が見つかるかもしれません。手軽に始められる方法ばかりですので、できるところから一歩ずつ、快適な趣味空間づくりを進めてみてはいかがでしょうか。