家族の動線を邪魔しない!リビングや寝室に「私の趣味エリア」を作る工夫
はじめに
「自分の時間」を持って趣味を楽しみたいけれど、家の中には自分の個室がなく、リビングや寝室など家族と共有するスペースで過ごすことが多い。家族の物がたくさんあって、自分の趣味の道具を広げる場所がない。なんとか場所を見つけても、作業中に家族に「邪魔だ」と言われてしまったり、片付けが億劫になって散らかってしまったり。このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
特に、リビングや寝室は家族の生活動線が交錯する場所です。趣味の道具を広げたり、一時的に置いておくだけで、家族の動きを妨げてしまうことがあります。この記事では、家族の動線を邪魔することなく、共有スペースの一角に心地よい「私の趣味エリア」を作るための具体的な工夫と収納アイデアをご紹介します。大がかりな模様替えや高価な家具は必要ありません。手軽で低コストに実践できる方法を中心に解説します。
家族の動線を把握する重要性
共有スペースで趣味を楽しむ際に、まず意識したいのが「家族の動線」です。動線とは、家族が部屋の中を移動する際の経路のこと。リビングであれば、玄関からキッチンへ、ソファからベランダへ、寝室であればベッドからクローゼットへなど、日常生活で頻繁に通る道があります。
この動線上に趣味の道具や作業スペースを設けてしまうと、家族は常にそれを避けて通る必要が出てきます。これが小さなストレスとなり、やがて「邪魔だ」という言葉につながる可能性があります。家族皆が心地よく過ごすためには、彼らのいつもの動きを妨げない場所を選ぶことが大切です。
普段、家族が部屋のどこを通り、どこに立ち止まることが多いかを観察してみてください。出入り口から別の部屋への通り道、よく使う家具の周り、窓際など、特に人通りが多い場所を確認しておきましょう。
動線を避けた「私の趣味エリア」の場所選び
家族の動線を把握したら、次は趣味エリアとして最適な場所を選びます。人通りの少ない「デッドスペース」や、家族の生活に影響を与えにくい場所が候補となります。
- 部屋の隅や壁際: 部屋の中央や通路になりやすい場所を避け、壁に沿った隅や、家具の配置によって自然とできるデッドスペースを活用します。例えば、ソファの裏側や、あまり開け閉めしない扉の近くなどです。
- 家具の横や背面: 大きな家具(タンス、本棚など)の側面や背面にできる狭い空間も活用できます。奥行きがなくても、壁面を利用すれば有効な趣味スペースになり得ます。
- 特定の家具の一角: 本棚や飾り棚の一段、チェストの上など、既存の家具の空いている部分を一時的な作業スペースや収納場所として活用します。
- 押し入れやクローゼットの一部: 扉を開ければ「私の空間」、閉めればすっきり隠せるため、集中したい場合や家族の視線が気になる場合に有効です。奥行きを活かして、簡単な作業台を設けることも可能です。
これらの場所を選ぶ際は、家族の「よく使う物」が近くにないか、その場所への家族のアクセス頻度はどのくらいかを考慮しましょう。
コンパクトな「私の趣味エリア」を作る具体的な工夫
場所が決まったら、実際に趣味を楽しむための環境を整えます。限られたスペースと予算で快適な空間を作るための工夫をご紹介します。
1. 道具は「使うものだけ」に厳選する
趣味を楽しむ上で最も重要なのは、実際に使う道具です。たくさんの道具があるとそれだけで場所を取りますし、片付けも大変になります。まずは、今取り組んでいる趣味に「本当に必要な最小限の道具」を見極めましょう。
例えば、手芸なら「今使っている糸と針、ハサミ、生地の切れ端」など、読書なら「今読んでいる本、ブックカバー、栞、筆記用具」などです。一度に全部を持ち出すのではなく、「今回の作業に必要な分だけ」を厳選して持ち出すようにすると、スペースを最小限に抑えられます。
2. サッと持ち運べて、サッと片付く収納を活用する
共有スペースでの趣味は、必要に応じてすぐに片付けられることが大切です。そのため、持ち運びやすく、まとめて収納できるアイテムを活用しましょう。
- バスケットやボックス: 100円ショップやニトリ、無印良品などで手に入る取っ手付きのバスケットや、蓋付きのボックスは、趣味の道具一式をまとめて入れておくのに最適です。使いたい時にサッと取り出し、作業が終わったら中に戻して所定の場所に置くだけで片付けが完了します。中身が見えない蓋付きなら、生活感を隠すこともできます。
- トレイ: 作業中に使う細々とした道具(ハサミ、ペン、クリップなど)をトレイの上にまとめておけば、作業場所を移動する際も、片付ける際も、トレイごと動かすだけなので簡単です。食事用のトレイや、文房具用のトレイなど、身近なもので代用できます。
- キャスター付きワゴン: 少しスペースに余裕があれば、キャスター付きのワゴンも便利です。趣味の道具をまとめて収納し、使いたい場所へコロコロと移動させられます。作業台としても使えるタイプもあり、使わない時は壁際や家具の隙間に収納できます。
3. デッドスペースを活用した壁面・側面収納
床に物を置くスペースが限られている場合、壁面や家具の側面を活用しましょう。
- ウォールポケット: 壁に取り付けたり、家具の側面に吊り下げたりできるウォールポケットは、本、雑誌、手紙、編み針など、薄くて軽い物の収納に便利です。
- 有孔ボード: 壁に有孔ボードを取り付ければ、フックを使って様々な道具を「見せる収納」として整理できます。頻繁に使う道具を手の届く場所に配置でき、見た目もおしゃれにできます。ただし、設置には壁に穴を開ける必要がある場合もあります。簡易的なものであれば、突っ張り棒とネットを組み合わせて作ることも可能です。
- ファイルボックス: 書類だけでなく、雑誌、薄い生地、ノートなどを立てて収納するのにファイルボックスは非常に優秀です。本棚や棚の空きスペースに置くだけで、すっきりとした見た目を保てます。無印良品のファイルボックスはサイズ展開が豊富で、様々な場所にフィットしやすいでしょう。
4. 作業途中の「一時置き場」を決める
趣味の作業は、必ずしも一度で終わるとは限りません。途中で中断せざるを得ない場合もあります。そんな時、作業中の物をそのままにしておくと家族の動線を妨げたり、散らかって見えたりします。作業途中でもサッと一時的に置いておける場所と方法を決めておきましょう。
- 専用のトレイやボックス: 先述のトレイやボックスは、作業途中の道具や材料を一時的に入れておく場所としても活躍します。中断する際は、作業中のものを全てトレイやボックスに入れ、決めた一時置き場へ移動させます。
- 家具の上や中: 作業途中の物は、すぐに再開できるよう、家族が普段使わないチェストの上や、開閉頻度の少ない引き出しの中などを一時置き場として指定しておくのも良い方法です。
家族との調和を保つためのヒント
共有スペースで快適に趣味を楽しむためには、家族の理解と協力も大切です。
- 事前に相談する: 「このスペースで趣味の時間を作りたいんだけど、大丈夫かな?」と、家族に相談してみましょう。一方的に場所を決めるのではなく、話し合うことでお互いの気持ちを理解しやすくなります。
- 「片付けルール」を決める: 作業時間や片付けるタイミングについて、家族と簡単なルールを決めるとスムーズです。「食事の前には必ず片付ける」「夜寝る前には全て元の場所に戻す」など、無理のない範囲で約束事を決めましょう。
- 「私の趣味エリア」を家族に伝える: 自分がどこで趣味を楽しんでいるのか、一時的に道具をどこに置いているのかを家族に伝えておくと、誤って触ってしまったり、探したりする手間が省けます。
まとめ
限られたスペースでも、工夫次第で快適な趣味時間を持つことは可能です。家族の動線を把握し、人通りの少ない場所を「私の趣味エリア」として選びましょう。そして、本当に使う道具を厳選し、バスケットやボックス、トレイ、壁面収納などを活用して、サッと持ち運べてすぐに片付けられる仕組みを作ることが大切です。作業途中の物の一時置き場を決めておくことも、散らかりを防ぎ、家族との摩擦を減らすことにつながります。
家族と話し合いながら、お互いが気持ちよく過ごせる空間づくりを目指しましょう。小さな工夫の積み重ねが、心地よい自分時間へとつながります。今日からできることから、ぜひ試してみてください。