リビング・寝室で「探さない」趣味時間!小さな道具の『分類とラベリング』で叶える簡単収納術
リビングや寝室の一角で、お気に入りの手芸や読書を楽しむ時間は、日々の暮らしに彩りを添えてくれます。しかし、家族共有のスペースであったり、自分の個室がなかったりする場合、趣味に使う道具や材料が散らかりやすく、「あれ、どこに行ったかしら」と探すのに時間がかかってしまうというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
特にビーズや糸、針、印付けペンといった手芸の細かな道具や、付箋、ブックマーカー、読書用のペンなどの小さなアイテムは、うっかりすると他のものに紛れてしまいがちです。いざ趣味の時間を楽しもうと思った時に、道具を探すことから始まると、せっかくの気分も少し下がってしまうものです。
この記事では、リビングや寝室の限られたスペースでも、大切な趣味の時間をスムーズに始められるよう、小さな道具を迷子にしないための「分類」と「ラベリング」に焦点を当てた簡単な収納術をご紹介します。特別な家具を用意したり、大がかりな片付けをしたりすることなく、今あるスペースや身近なアイテムを活用して、道具を使いやすく整理するヒントをお届けします。
なぜ「分類」と「ラベリング」が必要なのか
趣味の道具がごちゃついてしまう主な原因の一つは、適切な「分類」ができていないことです。何となくまとめて収納していると、いざ使う時に必要なものだけを取り出すのが難しくなります。また、「ラベリング」がされていないと、どの箱やポーチに何が入っているのか分からず、結局全部開けて確認することになり、それが散らかる原因にも繋がります。
きちんと分類し、ラベリングしておくことで、以下のようなメリットが得られます。
- 探す時間の削減: どこに何があるかが一目で分かるため、必要な道具をすぐに手に取ることができます。
- 作業効率アップ: 道具探しに時間を取られないことで、趣味に集中できる時間が増えます。
- 片付けやすさの向上: 使い終わった道具を元の場所に戻しやすくなります。
- 在庫の把握: 同じものを二重に購入してしまうミスを防ぎやすくなります。
- 見た目のスッキリ感: 統一感のある容器にまとめてラベリングすれば、見た目も整然として気持ちが良いものです。
誰でもできる!簡単な「分類」の手順
道具を分類すると聞くと大変そうに感じるかもしれませんが、まずは手元にある趣味の道具から少しずつ始めてみるのがおすすめです。
- 全ての道具を「一旦出す」: 収納場所から趣味に関する道具や材料を全て取り出します。一箇所に集めることで、どれくらいの量があるかを把握できます。
- 「使うもの」「使わないもの」に分ける: 最近使ったか、これからも使う予定があるか、という基準で「使うもの」と「使わないもの」に分けます。長期間使っていないものや、もう興味がなくなってしまったものは、手放すことを検討する良い機会です。
- 「使うもの」をさらに細かく分類する:
- 趣味の種類別: 例)読書関連、手芸(編み物、刺繍など)関連
- アイテムの種類別: 例)ペン類、ハサミ、定規、ビーズ、糸、毛糸、生地の端切れ、パターン集、本、ノート、付箋など。
- 使用頻度別: 例)毎日使うもの、週に数回使うもの、たまに使うもの、保管しておきたいもの。
- 作業工程別: 例)準備段階で使うもの、実際に作業する時に使うもの、片付けに使うもの。
最初はざっくりと分類するだけでも構いません。例えば、「読むときに使うもの」「縫うときに使うもの」「編むときに使うもの」といった大まかな分け方から始めて、慣れてきたらさらに細かく分類していくこともできます。
「ラベリング」で見やすく、使いやすく
分類ができたら、次はそれぞれのグループをどのような容器に入れるかを決め、中身がすぐに分かるように「ラベリング」をします。
容器選びのヒント
- 透明または半透明の容器: 中身がうっすら見えるので、何が入っているか判断しやすくなります。
- 蓋付きの容器: 埃を防ぎ、積み重ねて収納することも可能です。
- サイズを揃える: 同じ種類の容器で揃えると、見た目がスッキリします。100円ショップやニトリ、無印良品には様々なサイズのシンプルなボックスやケースが揃っています。
- 既存の箱やポーチを活用: お菓子の空き箱、化粧品のポーチ、購入時のパッケージなども、形がしっかりしていれば活用できます。
ラベリングの方法
容器を決めたら、中身を分類したグループごとに分けて入れ、「何が入っているか」をラベルに書いて貼ります。
- 手書きラベル: マスキングテープや付箋に油性ペンで書いて貼るだけ。手軽に始められますし、中身が変わった時にも簡単に貼り替えられます。デザインに凝れば、見た目も可愛らしくなります。
- ラベルシール: 文房具店や100円ショップで購入できます。剥がしやすいタイプを選ぶと便利です。
- テプラなどのラベルライター: きれいに統一されたラベルが作れます。収納場所が多い場合や、長期的にラベルを変える予定がない場合に便利です。
- 写真ラベル: 特に小さなお子様がいるご家庭や、中に何が入っているか視覚的に分かりやすくしたい場合に有効です。容器の中身の写真を撮って印刷し、貼ります。
ラベリングをする際は、誰が見ても分かるように、具体的に書くことが大切です。「手芸道具」ではなく、「刺繍糸」「編み針セット(棒針)」「ビーズ(丸小)」のように詳しく書くと、探す手間が省けます。
分類・ラベリング後の収納アイデア
分類・ラベリングした道具や材料は、それぞれの容器に入れて、定位置を決めます。リビングや寝室で手軽に実践できる収納場所のアイデアをいくつかご紹介します。
- 既存の引き出しの中:
- 引き出しの中に、分類したアイテムを入れた小さなボックスや仕切りケース(100円ショップに豊富にあります)を並べます。
- 深さのある引き出しなら、積み重ねられるケースを使ったり、空き箱などを活用して縦に仕切ったりすると、デッドスペースを減らせます。
- チャック付きポリ袋に細かな材料(ビーズ、ボタンなど)を小分けにして、ラベリングして立てて収納するのも有効です。
- 既存の棚の一角:
- ラベリングしたファイルボックスや蓋付きボックスに、本や資料、少し大きめの材料などをまとめて並べます。
- ブックエンドを活用して、本と一緒に趣味の関連書籍やノートを立てて収納するのも良いでしょう。
- 家具の隙間や側面:
- ソファや棚の横など、家具と壁の間にできる狭い隙間には、キャスター付きの細長いワゴン(ニトリなどで販売されています)や、ラベリングしたマガジンファイルなどを活用して、一時的に使う道具や読みかけの本を隠しつつ収納できます。
- 粘着フックなどを活用し、家具の側面に作業途中のものを一時的に吊るす場所を作るのも便利です。壁に傷をつけたくない場合は、剥がせるタイプのフックを選びましょう。
- 持ち運びできるセットとして:
- 作業場所を変えたい時や、サッと始めてサッと片付けたい場合は、使う道具をまとめて一つの蓋付きボックスやトートバッグに入れておき、ラベリングしておくと便利です。この「趣味バッグ/ボックス」ごと持ち運べば、どこでもすぐに趣味を始められます。
これらのアイデアを参考に、ご自身のスペースや持っているアイテムに合わせて工夫してみてください。全てを完璧に整理しようとせず、まずは一つの引き出しや一つの箱から始めるのが継続のコツです。
家族と心地よく暮らすための工夫
共有スペースで趣味を楽しむ上で、家族への配慮も大切です。道具を分類・ラベリングしてきちんと収納場所を決めておくことは、家族にとっても「これはどこに戻せば良いか」「ここに何が入っているか」が分かりやすくなるというメリットがあります。
使った道具はすぐに元の場所に戻すことを習慣づけるだけで、散らかりを防ぎ、家族の動線を邪魔することなく、お互いが心地よく過ごせる空間を維持することができます。
まとめ
リビングや寝室の限られた空間で、趣味の時間をより快適に楽しむためには、道具の整理が欠かせません。ご紹介した「分類」と「ラベリング」は、特別な道具や大きなスペースを必要とせず、すぐに始められる簡単なステップです。
まずは手元にある道具を見直し、使っているもの・使っていないものを分けることから始めてみてください。そして、使いやすいグループに分け、箱やケースに入れたら、中身が分かるようにラベルを貼る。このシンプルな習慣一つで、道具を探すストレスから解放され、趣味に集中できる時間が増えるはずです。
分類とラベリングは、一度行えば終わりではありません。趣味の道具が増えたり、使い方や興味が変わったりすれば、見直しも必要になります。ですが、基本的な仕組みができていれば、見直しもそれほど難しくありません。
ご自身のペースで、できるところからこの収納術を取り入れて、リビングや寝室で過ごす趣味の時間を、もっと豊かで心地よいものにしてください。